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軽いうつ病かもと思ったら・・・

軽いうつ症状が現れたら早めに対策を
ストレス社会に生きる私たちは、いつうつ病にかかってもおかしくない状況です。
しかし、軽いうつ病は初期の段階で日常生活を見直したり、休養をとるなどの対策をとれば、
予防や改善をすることができます。

[うつ病とは?]
人間は誰しも時折気分が落ち込み、何もやる気がしない、イライラする、不安感に襲われるといった感情に陥る事があります。
多くは、時間が経つにつれ、自然に回復しますが、このような気分が何日も続き、いつになっても回復しない場合は軽いうつ病にかかっている可能性があります。
うつ病は「心の風邪」とも言われますが、現代のようなストレス社会に生きる私たちはいつうつ病にかかってもおかしくない状況なのです。あるデータによると、男性の10人に1人が、女性の5人に1人が、生涯に一度はうつ病にかかるとされています。

そしてその中でも特に軽症のうつ病が増加しています。
軽症のうつ病は本人も自覚せず、また周囲も気付かないうちに進行している場合が多いので注意が必要です。
しかし、軽いうつ病は初期の段階で日常生活を見直したり、休養をとるなどの対策をとれば、悪化するのを防ぐことができます。

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うつ病の症状

次のような症状が見られる場合は軽いうつ病の可能性があります。
客観的にチェックしてみてください。

◆憂うつな気分、気分の落ち込み
何らかの事件を元に、あるいは原因がはっきりせず、「憂うつだ」「何もやる気がしない」「悲しい」と思い悩む事があります。
一般的にこのような「憂うつな気分」は、朝方に強く、午後から夕方にかけて徐々に改善して行きます。しかし、うつ病の場合、このような精神状態が何日も続きます。周囲から見ると「憔悴しきってげっそりした雰囲気」「今にも泣き出しそうな雰囲気」として映ります。
さらにこの状態が悪化すると、「自分は存在価値がない」「消えてなくなってしまいたい」などと思いつめ、自殺について考えるようになる場合もあります。

◆精神運動制止
精神運動制止とは、何をやるのもおっくうでつらくてできなくなってしまうことを言います。
仕事や家事をやるにもてきぱきとこなせず、以前より動作がのろくなったと自覚できるうちは軽いうつ病の段階です。

これが進行すると、周囲から見てもわかるほど口数が減り、動作が鈍くなります。さらに精神運動制止が強くなると起き上がる事すらできなくなり、本人は自分を責めるようになります。
このような時に周りが「なまけている」と責めたり、「頑張れ」などと励ますとますます悪化します。

◆不安感・焦燥感
漠然とした不安やあせりのために押しつぶされそうな精神状態になります。
この状態が強くなるとじっとしていられなくなり、執拗にしゃべり続けたり、イライラして落ち着きなく動き回ったりします。
このような症状が出るタイプのうつ病は、50代、60代の女性がかかりやすいと言われています。

◆興味・関心の減退
あらゆるものに対する興味や関心がなくなり、何をやってもつまらなく感じるようになります。
さらに悪化すると、テレビを見たり、新聞を読むことさえしなくなります。

◆睡眠障害
寝つきが悪くなったり、眠りが浅く夜中に何度も起きたりします。また、睡眠が十分でないにもかかわらず、朝早く目が覚めてしまうという事がおこります。 これを「午前三時症候群」などとも言いますが、そのまま起き上がるわけではなく、寝床の中で悶々と悩んでいたりします。逆に昼頃まで眠い、一日中眠いというケースもあります。

◆身体の痛み
頭痛、肩こり、胃痛、関節痛、筋肉痛など、身体のどこかに原因不明の痛みが生じる事があります。
特に頭痛が多く、どんよりとした頭重感があり、鎮痛剤を飲んでもあまり効かないというケースもあります。

◆食欲の変化
多くの場合、うつ病になると食欲は減退してきます。「何を食べても味がなく、おいしくない」と感じ、体重も落ちてきます。
この逆に食欲が亢進して過食ぎみになる場合もあり、「無性に甘い物が食べたくなる」などというケースもあります。

◆胃や腸の不調
過度なストレスがかかると胃や腸に影響を及ぼしますが、うつ状態になると、胃の痛み、むかつき、吐き気、下痢、便秘などが現れることがあります。

◆視力・聴力の低下
うつ状態になると、視覚や聴覚を担当する部分の脳の機能不全がおこり、視力の低下や目の疲れ、耳鳴り、難聴、めまいなどの症状が表れる事があります。

◆疲労感・気力の減退
身体を動かしたわけでもないのに、気が重く、疲れやすくなります。
また、気力が低下して、何をする気にもなれず、顔を洗ったり、着替えをしたりといった日常的な事さえおっくうになり、時間がかかるようになります。

◆誇大妄想
事実をゆがめて認知し、誇大妄想に陥る事があります。
自分は貧乏になったと思いこむ(貧困妄想)、 悪いことの責任はすべて自分にあると思いこむ(罪業妄想) 、 悪い病気にかかっていると思いこむ(心気妄想) などがあります。

◆罪責感
過去におきた些細な事をくよくよと思い悩んだり、自分を責めたりします。
周囲に何かうまく行かないことがあると、全てが自分のせいと考え、ますます悲観的になります。

◆思考力・集中力の低下
仕事が以前のようにはかどらなくなり、学生の場合は成績が落ちたりします。
また、話をしていても要領を得ない、話の内容がはっきりしない、何を伝えたいのかがわかりにくいという事があります。

思考力、集中力の低下にともない、決断力も低下してきますので、小さな事でもあれこれ考えてばかりで、なかなか決める事ができなくなります。

うつ病になりやすいタイプ・性格

うつ病は、次のような性格の方がなりやすいと考えられています。

◆責任感が強く真面目な性格
◆几帳面で仕事熱心な性格
◆他人の目や評価を気にするタイプ
◆自分を客観視する事ができないタイプ
◆人に何かをたのまれるとイヤと言えないタイプ
◆疲れていても頑張ってしまうタイプ
◆何事もネガティブに考えてしまうタイプ
◆自己愛の傾向が強いタイプ
◆依存心が強いタイプ

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うつ病の原因

うつ病は「気の弱さ」や「心の弱さ」からなるわけではなく、脳内神経伝達物質のバランスの乱れが主な原因です。
私たちの脳の中には“セロトニン”や“ノルアドレナリン”といった神経伝達物質が意欲や活力などを伝達する働きをしています。しかし、過剰なストレスや心身の疲労が重なった場合、この脳内の神経伝達物質の働きが悪くなり、感情や思考の活動がスムーズに行われなくなってしまい、うつ病の症状として現れるようになるのです。

特にセロトニンは、同じ神経伝達物質であるドーパミンやノルアドレナリンなどの情報をコントロールし、精神を安定させる作用があるので、セロトニンが不足すると感情の調整が難しくなるのです。
このセロトニンの不足がうつ病の大きな原因とされています。

このため、うつ病はだれでもかかる可能性のある病気であり、また早期に発見して適切な対策を取れば必ず回復できる病気でもあるのです。

うつ病のきっかけ

うつ病になるきっかけは人によりさまざまですが、主に次のようなものがあります。

◆家族やペットの死、親しい人との別れ
◆仕事の過労、職場の異動、転職、転勤
◆倒産、借金苦、失業など経済的な問題
◆身体疾患
◆家庭内の葛藤
◆対人関係、精神的な打撃
◆受験の失敗
◆異性関係の問題、失恋
◆結婚、離婚
◆妊娠、出産、子育て
◆引越しや新築、環境の変化
◆事件・災害などによる心理的なショック

[仮面うつ病とは?]
うつ病になると、さまざまな身体の不調が現れる事があります。
頭痛や腰痛、吐き気や腹痛、動悸、肩こり、食欲不振、下痢や便秘などの症状が現れた場合、この身体症状のために精神的な症状を見逃してしまいがちです。
このような場合、身体症状の仮面に精神的な抑うつ症状が隠れているという意味で「仮面うつ病」と呼ばれます。

[朝刊シンドロームとは?]
うつ病の症状をわかりやすく表した言葉に「朝刊シンドローム」というものがあります。
これは、毎朝起きると朝刊を読むことを習慣にしている人がうつ病になった場合、社会の出来事や事件に対する興味がなくなり、その上新聞を読むという行為自体がおっくうになり、新聞を読まなくなる事をいいます。

うつ病の予防と改善

うつ病は誰もがかかる可能性のある病気ですが、日常生活を見直すだけでも、予防や改善をする事ができます。
健康で元気な生活をおくるためにも、うつ病を予防し、また症状が軽いうちに改善していきましょう。

うつ病の予防と回復のヒント

●休養をしっかりとる
軽いうつ病の予防と改善の方法として最も重要なのは、休養をしっかりとる事です。
うつ病にかかりやすい人は責任感が強く、真面目な性格の人が多いのですが、疲れがたまっていると感じた時は、仕事や勉強、家事などを放っておいても、とにかく休む事です。
疲れた心と身体をゆっくり休ませ、充電する事がうつ病の予防と早期回復につながります。

●生活の見直し
うつ病の症状が現れたら、普段の生活を見直し、自分の心や身体に負担をかけているものが何かを明らかにしてみましょう。
仕事の内容や職場の人間関係が重圧に感じるなら、思い切って休職したり転職をするのも良いでしょう。

学校でのトラブルが原因なら少し休んだり、第三者に相談してみたり、家庭問題なら家族で話し合ってみるなど、うつ病を軽減するために生活の見直しを行うのは、すぐにでもできる改善法です。

職場や学校を休んだり、転職したりするのは、後あとの事を考えると不安に思うかもしれませんが、まずはうつ状態を改善するほうが先決です。

●アロマテラピー
人間の五感の中で、嗅覚だけは直接大脳へ信号が送られるようになっています。
アロマテラピーは、ハーブのエッセンシャルオイルを使って行う療法ですが、このエッセンシャルオイルの香りを嗅いだりすることで緊張を和らげることができるので、うつ病の改善に役立ちます。

●日光浴をする
日光浴はうつ病の予防や改善に有効です。
日光を浴びると、セロトニン生成器官が刺激され、脳内神経伝達物質のセロトニンが作られるからです。朝がつらくて起きられない場合でも、カーテンと窓を開けて部屋の中に日射しを入れることにより、回復の助けになります。

●運動をする
適度な運動をすることにより、セロトニン生成器官が刺激され、セロトニンが作られます。
特にウォーキングやジョギング、スイミングなどの有酸素運動が効果的です。自宅で気軽にできるなわ跳びなども効果的です。全身の血行も良くなるので、うつ病の症状が改善してきます。

人により、薬を使うよりも運動をしたほうが、うつ病改善に効果が上がる場合があります。
気分が落ち込んでいると感じたら、ともかく体を動かしてみましょう。

●アミノ酸の摂取
うつ病はセロトニンやノルアドレナリンといった神経伝達物質の不足から引き起こされますが、アミノ酸はこのセロトニンやノルアドレナリンの原料となります。
サプリメントなどから必須アミノ酸を摂取するようにすると、うつ病の予防と改善の助けになります。

●ビタミンB類の摂取
ビタミンB類の中でも、ビタミンB1,ビタミンB6,ビタミンB9、ビタミンB12は脳や神経に大きく影響します。
ビタミンB1は、脳内でエネルギー変換に関係するビタミンですが、不足すると不安や恐怖を感じやすくなります。
ビタミンB6は体内でのアミノ酸代謝に必要なビタミンで、不足するとイライラするなどの症状が出ます。
ビタミンB9(葉酸)には、気分を落ち着かせたり、正常な神経システムを保持する役割があります。
ビタミンB12は脳の神経細胞のスムーズな働きを助ける役目があります。

●セントジョーンズワートの摂取
セントジョーンズワートはハーブの一種で、別名サンシャインハーブとも呼ばれています。
ストレスがたまってイライラしている時など、高ぶった神経を落ち着かせる効果があります。

また、うつ病の原因とされている神経伝達物質のひとつであるセロトニンを増やす効果があるとされています。
セントジョーンズワートは、日本ではサプリメントとして市販されています。

●瞑想・座禅をする
瞑想や座禅は、頭の中をからっぽにし何も考えなくする方法です。
コツをつかむまでは難しいところもありますが、慣れてくると心身がリラックスし、悩みやストレスを解消することができるので、うつ病の予防・改善に役立ちます。

●カウンセリングを受ける
うつ症状は、心の問題が大きく関係しています。
家庭環境や親子関係、職場での人間関係や仕事上のトラブル、子どもの場合は学校での友人関係や進路問題など、さまざまな要因が絡み合って症状を悪化させていることがあります。

専門家によるカウンセリングを受けて心の状態を客観的に見ることができれば、ストレスをひとつずつ取り除き、うつ症状を快方へ向かわせることも可能です。

●薬による治療
薬による治療を行う場合は抗うつ薬を使用します。現在は副作用が少なく効果の高い薬も開発されてきています。
このような薬を中心とした治療では、服薬を始めてすぐに効果が現れるわけではありませんが、約2~3週間で回復に向かうとされています。

ただし、薬による治療を行う場合は、信頼のおける病院の精神科や心療内科を受診し、各自の病状に合ったものを使用するようにしてください。
抑うつ剤や精神安定剤の多剤投与による副作用も問題になっています。薬は、あくまでも苦しい状態を緩和し、回復を助けるためのものなので、安易に何種類もの薬が処方される場合は、セカンドオピニオンも検討してみましょう。)

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うつ病は「心の病気」ではない。だから絶対によくなる! ―ある完全なる生還者の結論―
薬に頼らずうつを治す方法
1日3分でうつをやめる。
よくわかる うつ病 診断と治療、周囲の接し方・支え方 別冊NHKきょうの健康

うつ病患者への対応

うつ病と思われる人が周囲にいた場合、次のような対応を心がけてみましょう。

・ゆったりとした場所で相手の話に耳を傾ける。
・つらい気持ちに共感しながら、話を聞く
・プライバシーに配慮し、立ち入った質問は控える
・相手が楽な気持ちで話ができるように相づちをうちながら、話を聞く。
・相手の悩みや苦しみがわかったら、一緒に解決方法を考える。
・プレッシャーをかけてしまうので、励まさないようにする。

青少年のうつ病について

中学生、高校生、大学生など、青少年のうつ病については、注意が必要です。
自我の確立期にあたる思春期は、ホルモンのバランスが乱れ、精神的にも不安定になりやすいため、時にはうつ状態から登校拒否や引きこもりといった事態に至ることも珍しくありません。

こんな時、避けなければならないのが多剤大量処方による薬害です。
親がうつ状態から一刻も早く回復させようとあせったり、青少年のうつ状態について知識のない医師によるむやみな抑うつ剤や精神安定剤の多剤投与が行われた場合、時には症状をよりいっそう悪化させます。
青少年のうつ病は、自我が確立し、ホルモンのバランスが安定して来れば自然に回復するケースも少なくありません。

また、青少年のうつ症状の背後には軽い発達障害が隠れていたり、「重ね着症候群」と呼ばれる精神的な症状が複数現れることがあります。
回復の過程で時には薬をまったく必要としないこともあるので、青少年の精神症状に詳しい医師やカウンセラーに相談されることをおすすめします。

[自殺を防止するために]
軽いうつ病のうちは良いのですが、うつ病が進行すると、仕事や勉強、家事などへの意欲も失われ、将来に対する不安や自分への罪責感でいっぱいになり、「自分は存在する価値のない人間だ」などと思いつめてしまう事が良くあります。

「この苦しみは誰にもわかってもらえない」といった孤独感や疎外感がますます強くなってくると、自殺を考えるようになってきます。
気分が落ち込んでいる時は、何をする気もおこらないので、自殺をしようと思っても、実行にうつすだけの気力が出てきませんが、少し回復してきた時が、自殺の危険性が高くなるといわれています。

このような最悪の状況を避けるためにも、症状が軽いうちに本人や周囲が気付き、対策を取ったり治療を開始する事が大切です。

特に本人が何気なく「死にたい」とか、「自殺したい」というような事を口走った時、周囲の方は決して軽く考えないでください。
そんな時、本人は心のどこかで助けを求めています。悩みや苦しみに真剣に耳を傾け、聞いてあげてください。それでも気分の落ち込みが改善しないようなら、躊躇せずに精神科や心療内科などの専門医を受診するよう促しましょう。

自殺を考えるようになると、表面は明るくふるまいながらも本当に実行してしまうケースがあります。そうなってからでは取り返しがつきません。

うつ病は決して治らない病気ではありません。
「軽いうつ病かも・・・」と感じたら、ためらわずに休養したり、病院を受診するなど、適切な対応をとってください。

■ひとくちメモ
今、私たちを取り巻く社会環境を考えると、「うつ病にならないほうがおかしい」とさえ、思えるような状況です。
大人ばかりでなく、子供たちや高齢者にまで、さまざまなプレッシャーがかけられ、殆どの人が精神的に追い詰められアップアップしています。

うつ病から身を守るポイントは、うつ病の正体(原因)を知り、症状が軽いうちに休養をとったり、日常生活を改善してみたり、病院を受診して薬物療法やカウンセリングを受けるなどの対策をとることです。
また、現在うつ病に苦しんでおられる方も、脳内の神経伝達物質の働きが正常になれば必ず治る病気なので、あきらめずに改善のための対策や治療を続けるようにしてください。

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