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蓄膿症(副鼻腔炎)を治すには?

蓄膿症は放置しておかず、早めに治療を・・・
蓄膿症(慢性副鼻腔炎)の主な症状は、鼻汁や鼻づまりです。
また、頭痛がしたり記憶力や思考力が減退するなどの症状が現れることもあります。

[蓄膿症(慢性副鼻腔炎)とは?]
鼻腔(びこう)の周囲の骨の中には大小の空洞がありますが、これを副鼻腔と言います。
何らかの原因でこの副鼻腔に細菌やウィルスが入り込み、粘膜が腫れて膿汁が出る状態を「急性副鼻腔炎」と言いますが、この状態が3ヶ月以上も続く場合を蓄膿症(慢性副鼻腔炎)と言います。

[後鼻漏(こうびろう)とは?]
蓄膿症が悪化して鼻汁が鼻の奥から喉の方へ 流れこんでくる症状を後鼻漏(こうびろう)と言います。
後鼻漏(こうびろう)では、朝起きた時に咳や痰が出やすくなります。

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蓄膿症(慢性副鼻腔炎)の症状

症状としては次のような状態が上げられます
◆濃い鼻汁(粘液や膿)が たくさん出る
◆痰のような症状や咳が長く続く
◆鼻詰まりがする
◆頭痛がする
◆口呼吸をする
◆記憶力、思考力が減退する
◆鼻の通りが悪くなり、時には悪臭がする事がある
◆いびきをかく
◆臭いがわからなくなる

蓄膿症(慢性副鼻腔炎)の原因

蓄膿症の原因としては次のような事が考えられます
◆風邪が長びいたり、何度も繰り返した場合
◆鼻中隔湾曲(鼻中隔が左右に極端に曲がっている状態)
◆鼻のアレルギーがある場合
◆大気汚染
◆栄養状態の悪化
◆ストレスの蓄積
◆虫歯がある場合

蓄膿症(慢性副鼻腔炎)の治し方と治療法

蓄膿症(慢性副鼻腔炎)の治療は、鼻汁を外に出し、鼻の中の粘膜の腫れを取り、鼻腔の絨毛運動機能を回復させる事が基本になります。
耳鼻咽喉科では、まず鼻腔内の内視鏡検査やアレルギー検査、レントゲンやCTなどの検査を行い、軽度なら抗生物質などの薬を服用したり、炎症をおこしている粘膜に薬を塗布する“保存療法”が行われます。

また、重度の場合は“手術療法”が行われますが、それには炎症を起こしている粘膜を全て取り去る“根治手術”と粘膜を温存して機能回復を目的とする“保存手術”(ESS)という方法があります。
しかし、現在では殆どの場合、患者の負担が軽い保存手術となるようです。

蓄膿症(慢性副鼻腔炎)の治し方のヒント

蓄膿症(慢性副鼻腔炎)の具体的な治療法として、次のようなものがあります。

●点鼻薬
鼻づまりがひどい時に、鼻の中に血管収縮剤などの薬液を綿棒やスプレーで塗布します。これにより鼻腔の粘膜の腫れを取り、鼻汁を吸引、排出します。

●ネブライザー療法
抗生物質、ステロイド、血管収縮剤などの入った薬液を霧状にして副鼻腔へ送り込み、膿を排出させる方法です。

●薬物療法
抗生物質や酵素製剤、粘液溶解剤などの炎症を抑える薬や、膿の排出を良くする薬、腫れを抑える薬などが使われます。
最近では、マクロライド系抗生物質を長期にわたって投与する方法も、広く行われるようになって来ました。

●上顎洞穿刺洗浄
鼻から上顎洞に針を刺し、貯まっている液を吸引した後、生理食塩水で洗浄します。 場合により抗生物質を注入することもあります。

● プレッツ置換法
薬液を鼻腔内に注入した後、ポリッツェル球と呼ばれる器具で鼻腔に圧力をかけ、さらに奥にある副鼻腔内に薬液を送り込むという方法です。

●ヤミック療法(ヤミックカテーテル)
ヤミック療法とは、ラテックス製のヤミックカテーテルを用いて副鼻腔内の貯留液を排液させ、同時に抗生剤やステロイドなどの薬液を副鼻腔に注入するというものです。
15分ほどで治療が終わるため、患者にとっても負担が少なく、子供でも実施できる方法です。またこの治療法は、特に前頭部痛と鼻汁がのどに流れる後鼻漏の症状に非常に効果的です。
ヤミックカテーテルは、ロシアで開発されたもので、1998年に医療器具として輸入が許可されましたが、2005年秋の薬事法改正で輸入ができなくなったため、残念ながら現在の日本では行われておりません。

●手術
炎症が強かったり、マクロライド系抗生物質や粘液溶解剤の内服を2~3か月間行っても症状が改善しない場合は、手術が行われます。
最近では麻酔や技術が発達し、鼻の穴から内視鏡で観察しながら自然孔を拡げ排泄路を確保する手術が普及してきています。

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蓄膿症の予防

蓄膿症を予防するためには、日頃から次のような事に留意しましょう。
●風邪をひかないようにする
●風邪をひいたら、完全に治すようにする
●日頃から適度な運動を行い、体を鍛えておく
●栄養バランスのとれた食生活をする
●鼻汁や鼻づまりの症状が続く場合は、放置せずに耳鼻咽喉科を受診する

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■ひとくちメモ
蓄膿症(慢性副鼻腔炎)は、大人ばかりでなく、子供にも多い病気です。
子供の場合、単なる鼻汁や鼻づまりだからと放置しておくと鼻粘膜の炎症がひどくなり、学業にも影響が出るという事も珍しくありません。
早めに耳鼻咽喉科を受診して詳しい検査を行い、治療しましょう。


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