肥満症と肥満度について
肥満度と肥満症について正しい知識を・・・
肥満症には、生活習慣病の危険性が潜んでいます。
肥満症と肥満度について正しい知識を持ち、健康を損なう事のない方法で、肥満を改善する事が大切です。
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肥満症とは?
肥満とは身体に過剰な脂肪が蓄積した状態のことを指します。成人男性の場合、体重の15~20%が脂肪ですが、25%以上の場合は肥満であり、成人女性の場合は体脂肪率が20%~25%のところ、30%以上の場合は肥満となります。
さらに、肥満の病的な形態を「肥満症」と言い、日本肥満学会では肥満症の定義を次のように規定しています。
[肥満症の定義]
「肥満症とは肥満に起因ないし関連する健康障害を合併するか、その合併が予測される場合で、医学的に減量を必要とする病態をいい、疾患単位として取り扱う(日本肥満学会)」
また、肥満かどうかの判断は肥満度を計算する事により、明らかにすることができます。
[肥満度とは?]
肥満度とは、「BMI(ボディ・マス・インデックス)」と言いますが、次のような計算式で出します。
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
BMIの判定は次のようになります。
18.5以下・・・ やせ
18.5-24.9・・・ 正常
25.0-29.9・・・ 肥満クラスⅠ
30.0-34.9・・・ 肥満クラスⅡ
35.0-39.9・・・ 肥満クラスⅢ
40.0以上 ・・・ 肥満クラスⅣ
※BMIが25以上になると高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病にかかりやすくなります。
肥満症の原因
◆食生活の欧米化
食生活のの欧米化により高脂肪、高カロリーなどの食事が多いと肥満症の原因になります。
また、ファーストフードや外食もカロリーが高い料理が多く肥満をひきおこす原因になります。
◆過食
食事は腹8分目が良いと言われますが、ついつい食べ過ぎてしまったり、おやつにケーキやフルーツなどを食べる習慣があると肥満症の原因になります。
ストレスにより、過食になってしまう人もいるので注意が必要です。
◆アルコール
ビールやワイン、日本酒などアルコール類の殆どは高カロリーです。
毎日多量に飲む事は肥満のもとになります。
◆運動不足
運動不足はエネルギーの消費が不足してしまうので、肥満をひきおこします。
◆遺伝
両親が太っている場合、その体質は必ずしも遺伝するとは限りませんが、子供も太りやすいというデータがあります。
◆加齢
人間は加齢と共にエネルギーの消費量が減少していきますので、若い頃と同じ食事の量を摂っていると肥満になることがあります。
◆不規則な生活
交替勤務などで食事の時間や睡眠時間が不規則になると、肥満になりやすくなります。
夜遅くの食事は脂肪として身体にたまりやすく、エネルギー消費量も減少するからです。
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肥満症の種類
肥満症は、次のように分けられます。
単純性肥満と症候性肥満
肥満の原因により、単純性肥満(原発性肥満)と症候性肥満(二次性肥満)に分かれます。
◆単純性肥満(原発性肥満)
食べ過ぎや運動不足が原因の肥満です。肥満全体の95パーセントを占めています。
食べた物がエネルギーとして消費されず、それが中性脂肪となり、体内に蓄積されたものです。この単純性肥満(原発性肥満)は、肥満全体の95パーセントを占めています。
◆症候性肥満(二次性肥満)
代謝異常やホルモン異常など、ある特定の疾患が原因の肥満です。
洋なし型肥満とりんご型肥満
脂肪の付き方が下半身に多いか上半身に多いかで洋なし型肥満(下半身肥満)とりんご型肥満(上半身肥満)に分かれます。
◆洋なし型肥満(下半身肥満)
腰周りやお尻の部分に脂肪が多くつくタイプの肥満です。
皮下脂肪が多く、女性に多く見られるので、女性型肥満とも言われます。
◆りんご型肥満(上半身肥満)
おなかの周りに脂肪が多くつくタイプの肥満です。
腹膜などの内臓に脂肪がたまり、男性に多く見られるので、男性型肥満とも言われます。
内臓脂肪型肥満と皮下脂肪型肥満
脂肪が体のどこにつくかにより、内臓脂肪型肥満と皮下脂肪型肥満に分かれます。
◆内臓脂肪型肥満
脂肪が腹部などの内臓に多くつく肥満です。
中高年男性に多く、「隠れ肥満」とも言われますが、更年期以降の女性にも多く見られます。この内臓脂肪型肥満は高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病を招きやすいので、注意が必要です。
◆皮下脂肪型肥満
脂肪が腹壁の皮下に蓄積しているタイプの肥満です。
皮下脂肪はなかなか分解されにくい性質があるので、いったんこのタイプの肥満になると改善には時間がかかります。
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肥満症の改善法
肥満症を改善するためのポイントは、健康的な方法で体に蓄積した過剰な脂肪を減らして行くという事です。
急激なダイエットを行い、健康を損なってしまっては意味がありません。
まずは、体脂肪計で身体の状態をチェックしてみましょう。
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★肥満症改善のヒント
肥満ぎみの方は、次のようなことをヒントに、少しずつ改善して行きましょう。
●食事療法
消費エネルギーより、食事で摂取するエネルギー量を少なくする事で、体脂肪を減らして行きます。
カロリー制限の他、砂糖や油物を控えたり、アルコール類を控えたりするだけで、かなり脂肪を減らす事ができます。また、栄養バランスをくずさないために良質なタンパク質やビタミン、ミネラル類を上手に組み合わせて取りましょう。
ただし、急激な食事制限はリバウンドや健康を損なう危険性があるので、注意が必要です。
●不規則な食習慣の改善
一日2食にすると、肥満を改善できそうですが、これはむしろ逆効果になります。
空腹感から一回に食べる量が増え、一日の摂取エネルギーが多くなってしまうからです。食事は3食きちんと食べ、間食や夜食を控えるようにしましょう。
●運動療法
肥満解消には、酸素を十分に身体に取り入れながら行う、中程度の強さの有酸素運動が効果的です。
有酸素運動には、ウォーキング、軽いジョギング、サイクリング、水泳などがあります。何らかの既往症がある場合は医師と相談の上、行うようにしましょう。
●サプリメント
ダイエット関連のサプリメントが数多く販売されています。
サプリメントで肥満解消を目指す場合は、自分の体質に合った良質なものを選び、一日の必要量を守ることが大切です。
●薬物療法
カロリー制限開始時に食欲抑制剤などの薬を補助的に短期間使用することにより、減量を行います。
この場合は、医師の指導のもとに行います。
■ひとくちメモ
男性にとっても女性にとっても、「肥満症」は深刻な問題です。
肥満症の原因と脂肪が蓄積するしくみを正しく知り、自分に合う減量法をさぐってみましょう。
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