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スズメバチに刺された時の応急処置

秋の野外活動時はスズメバチに注意!
スズメバチによる被害が毎年9月~11月の間に発生しています。
スズメバチに刺された時の応急処置の方法を覚えておき、万一の場合に備えておきましょう。


秋はスズメバチに注意!

毎年秋になるとスズメバチによる被害が多発します。
スズメバチは主に山林や野原、公園や畑などに巣を作りますが、時には民家の軒下や戸袋、ガレージなどにも作ります。気づかないで巣に近づいた時に刺されるというケースが多くなっています。

日本にはスズメバチ属が7種、クロスズメバチ属が5種、ホオナガスズメバチ属が4種と、合計16種のスズメバチが生息しています。この中でもスズメバチ属のオオスズメバチとキイロスズメバチによる被害が最も多く発生しています。

スズメバチの巣を守っている働きバチはメスですが、人間を襲い、攻撃して来るのも産卵管が変化した毒針を持っているメスです。 秋は、スズメバチが繁殖期を迎える時期でもあるため、不用意に巣に近づけば外敵と見なされて襲撃されます。

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スズメバチとアナフィラキシーショック

通常、人間はスズメバチに数箇所刺されたくらいでは死ぬことはありません。スズメバチによる死亡原因の殆どはアナフィラキシーショック(アレルギー性ショック死)によるものです。

一度ハチに刺されると、体内にはハチ毒による抗体が作られます。2度目に刺された時にその抗体が過敏に反応して全身的なアレルギー性のショック症状を引き起こし、危険な状態になりますが、これを「アナフィラキシーショック」と言っています。

このアナフィラキシーショックの症状は全身のじんましん、めまい、腹痛、血圧低下、意識がもうろうとする、呼吸困難になるなどですが、ハチに刺され、このような症状が現れたら、一刻も早く治療しなければなりません。

アナフィラキシーショックは、たった一箇所刺されただけでも起こりやすく、通常数分~30分以内にアレルギー性の症状が現れ、治療が遅れると命にかかわります。 しかし、アナフィラキシーショックを起こさなくても、スズメバチに集団で襲われ何箇所も刺されると、刺された部分が痛みとともにパンパンに腫れ上がり危険な状態になりますので、必ず医師の手当てを受けましょう。

[スズメバチに刺されないために]
秋に野山や林の中に入る時は、できる限り肌の露出を避け、白い服や白い帽子を被るようにしましょう。スズメバチは黒っぽい服を着て動くものに反応します。また、黒髪のある頭部もねらわれやすいので、帽子を被るのが安全です。帽子がない場合は頭部を白いハンカチやタオルで覆うようにしてください。

また、飛んでいるスズメバチを見かけたら、近くに巣があるものと判断し、その場を離れるようにしましょう。追いかけて来るスズメバチから逃げる場合は、決して手で払わず腰をかがめて低い姿勢で逃げるようにしてください。

スズメバチに刺された時の応急処置

●毒を絞り出す
刺された箇所を確認し、その部分を親指と人差し指でぎゅっと強くつまんで血液を搾り出してください。刺されてから5分以内にこの処置を行い、血液と一緒にハチの毒を出してしまえば全身に毒が回るのを防ぐことができます。

ただし、この時ハチの毒を口で吸い出すのは危険です。ハチの毒はたとえ飲み込んでも消化管から吸収されることはありませんが、口内に傷がある場合、その傷口からハチ毒が体内に入る可能性があるからです。

アナフィラキシーの症状が現れたら、一刻も速く病院へ向かってください。

簡単に毒をしぼり出す器具として「ポイズンリムーバー」というものがあります。
アマゾンなどのネット通販で手軽に購入できるので、万が一のために常備しておくことをおすすめします。

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●水で洗って冷やす
ハチの毒は水溶性なので、毒を搾り出したら、すぐに患部を水で洗い流してください。近くに水道水がない場合は川の水やペットボトルの水でもかまいません。ハチ毒の臭いが付着していると、再びハチが襲ってくる可能性があるからです。また、水で冷やすことにより毒の回りを遅くする効果もあります。

●薬を塗る
抗ヒスタミン軟膏やステロイド剤、タンニン酸水などがあれば患部に塗布します。アンモニアは効果がないので意味がありません。
代表的な軟膏として、「ムヒアルファEX」があります。

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●皮膚科を受診する
応急処置が済んだら速やかに皮膚科を受診してください。多くの場合は刺された部分が赤くなったり腫れたり、熱を持ったりしますが、数日後には消失します。

しかし、ハチの毒が残っていて吐き気や嘔吐、じんましんなどの中毒の症状が現れる場合があり、最悪の場合は死に至ることもあるので、注意が必要です。

[アドレナリン携帯自己注射セット・エピペンについて]
現在、ハチ毒によるアナフィラキシー症状を緩和するための携帯自己注射セット・エピペンが医師の処方により携帯できるようになっています。

エピペン(EPIPEN)は、アメリカで1980年代より販売されている医薬品で、アドレナリンを自己注射するための注射針一体型の携帯用注射セットです。 日本では、ハチ刺傷によるアナフィラキシー症状への対応のため、2003年8月にはじめて認可され、2006年からは食物アレルギーによるアナフィラキシーにも使えるようになりました。

これまでにハチに刺されたり、特定の食物や薬で重いアナフィラキシー症状を起こしたことがある、または起こす可能性のある人は、あらかじめ医師の診察を受け、処方箋の交付を受けることで「エピペン」を購入し、携帯して緊急時に備えることができます。(エピペンは、2011年9月から保険適応となりました。)

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■スズメバチのカチカチとは?
スズメバチの巣の回りに近づくと、偵察バチが正面に来てカチカチと音を発することがあります。
このカチカチという音は、大あごをかみ合わせて出している音で、警告音・威嚇音の意味合いがあり、襲撃前の最後通告を意味するものだそうです。

このような時に手で払うと確実に刺されますので、ゆっくりと後ろに下がり、その場を離れるようにしたほうが無難です。


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