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虫歯の原因と予防法・治療法

虫歯は初期の段階で予防や治療をしましょう
虫歯は砂糖などの甘い食べ物と密接な関係があります。
食後は歯みがきを徹底して、口の中を清潔に保つようにしましょう。

虫歯の原因

生活が豊かになり、食物が豊富になるにつれて増えてきた虫歯。
虫歯とはミュータンス菌などによる感染症の一種で、このミュータンス菌がつくる歯垢(プラーク)が大きく関わっている事がわかっています。

現代では小さな子供までが虫歯に侵されていて、その耐え難い痛みに悩まされています。
虫歯の原因を知り、でき得る限り虫歯を予防し、減らすようにしましょう。

虫歯のできる原因には次のようなものがあります。

◆甘いものを食べる
口の中にいるミュータンス菌などの細菌は、砂糖などの糖分が大好きです。
ミュータンス菌は糖分を食べて乳酸を出しますが、プラーク(歯垢)にたまった乳酸は歯を溶かしてしまいますので、それが虫歯の原因になるのです。

◆歯垢(プラーク)の付着
歯にこびりついた歯垢(プラーク)の中の細菌は摂取された砂糖や炭水化物を代謝して、酸や毒素を産出します。
この酸はプラークの下のエナメル質を侵し、虫歯を作ります。また毒素は口臭などの原因にもなります。

◆歯の状況
歯並びが悪く、プラークがたまりやすかったり、酸で溶けやすい歯の人は虫歯になるリスクも高いと言えます。

◆不十分な歯磨き
歯磨きが不十分で、歯に歯垢(プラーク)が残っていると、虫歯になる確率も高くなります。間食が多い人も要注意です。

◆母子感染
子供の口腔内のミュータンス菌は2歳前後に定着すると言われます。
母親のミュータンス菌の数が多いほど、子供への感染率が高まり、感染した子供は虫歯になりやすくなります。

◆だ液の量が少ない
だ液は歯についた菌を洗い流したり、糖質を食べて酸性になった歯垢を中性にもどす役割があります。
そのため、だ液の量が少ないと虫歯になりやすいと言えます。

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虫歯の予防法

虫歯になると冷たいものがしみたり、ものを食べた後に痛んだり、だんだん進行すると何もしなくても痛み、夜も眠れない状態になってしまいます。
歯の一番外側はエナメル質で、この部分に虫歯ができても痛みませんが、その内側の象牙質、歯髄、神経にまで虫歯が達すると、痛みが出るのです。
虫歯の予防法を知り、大切な歯をしっかり守りましょう。

虫歯を防ぐヒント・虫歯予防法

●甘いものを食べる時は
甘いものを食べると、口の中が酸性に傾き、エナメル質がどんどん溶かされていきます。
甘いものを食べた後はすぐにうがいか歯みがきをしましょう。
また、飲み物や料理の味付けに砂糖以外の調味料を使用するなどの工夫もしてみましょう。

●食事は良く噛んで食べる
良く噛んで食べる事により、だ液の分泌を促進します。
また、良く噛んだ時に出るだ液は酸を中性にする力が通常の何十倍も強いと言われ、虫歯の予防にもなります。
柔らかいものよりも、ちょっと固いくらいのものを何度も噛んで食べるとより効果的です。

●食後の歯みがき
口の中の糖質や歯にこびりついた歯垢(プラーク)を落とすためにも食後の歯みがきは重要です。
口の中をさっぱりさせるために朝食前に歯みがきをする人がいますが、朝食後にも必ず歯みがきをしましょう。
また、間食の後も歯みがきをするように習慣づけると、より効果的に虫歯を予防することができます。

●正しいブラッシング
歯みがきを何度も行っても、ブラッシングの仕方が不十分だと、虫歯予防の効果はあまり期待できません。
特に歯と歯の間、歯と歯肉の境目、奥歯の溝の部分は磨き残しのないようにていねいに磨きましょう。
自分の歯に合った歯ブラシを選ぶ事も大切です。

●歯を丈夫にする栄養素をとる
歯を丈夫にする栄養素には、カルシウム、ビタミンD、ビタミンA、ビタミンC、などがあります。
歯の栄養素として最も重要なのはカルシウムですが、カルシウムの代謝や石灰化の調整にはビタミンDが必要です。
また、ビタミンAはエナメル質の形成に、象牙質の基盤にはビタミンCが必要です。

●キシリトールの利用
キシリトールとは白樺や樫などの樹木より採取された天然の甘味料のひとつです。
砂糖とは異なり、キシリトールは口の中で酸を作らず、口の中の細菌の栄養源にもならず、ごく初期の歯の傷を修復する働きもあります。
また、だ液の分泌を促進するので、だ液の分泌が少ない人は、キシリトール入りのガムを噛むようにするだけで、だ液の分泌量が増え、虫歯を予防することができます。
また、キシリトールはミュータンス菌の感染を抑制する働きもあります。
キシリトール入りの製品には、ガムやトローチ、歯みがき剤などがあり、一般的に市販されています。

●食後に緑茶を飲む
食後にお茶を飲むと、口の中に残っている食べカスを洗い流す事ができます。
また緑茶には、虫歯や歯周病、口臭に効果があると言われるカテキン、フッ素、フラボノールが含まれています。
カテキンは口腔内の細菌の増殖を抑え、フッ素は歯の傷を修復、強化し、またフラボノールは毛細血管を強化し、歯茎からの出血を防ぐ働きがあります。

●定期検診
少なくとも半年に一度は歯医者さんで定期健診を受けるようにしましょう。検診により、虫歯も初期の段階で見つかれば、処置も簡単に済み、歯垢や歯石もきちんと取ってくれます。
近年では、歯の治療よりは予防に重点をおいた「予防歯科」も増えてきました。

虫歯の進行状態

◆C-0
自覚症状が全くない状態。
治療はフッ素塗布などを行い、傷ついている部分の再石灰化を促します。

◆C-1
エナメル質に小さな穴があいた状態で、痛みはありません。治療も痛みがなく、簡単に済みます。

◆C-2
象牙質まで虫歯が達した状態で、冷たいものや熱いものがしみるようになります。
早めに歯科を受診しましょう。

◆C-3
虫歯が進行し、歯髄(神経)まで達した状態です。歯髄炎をおこしているので、痛みがあります。
治療は部分麻酔などで痛みを抑えてから行います。

◆C-4
虫歯が歯根まで進行した状態で、激しい痛みがあります。
歯を抜かなければならない場合もあるので、一刻も早く歯科を受診しましょう。

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虫歯の治療法

虫歯は早めに治療すればするほど、治療も簡単で済みます。
虫歯の進行状態を知り、痛みが出る前に早めに治療しましょう。

●初期の段階の虫歯の治療法
以前は虫歯になった場合、歯を削る治療が一般的でしたが、現在はできるだけ歯を削らない治療法が行われるようになって来ました。
痛みもなく、歯を削らない治療法には次のような方法があります。

・ヒールオゾン治療:虫歯になっている部分にオゾンを当てて殺菌する治療法です。
・エアブレイジョン:酸化アルミニウムの粒子を高速で吹き付けることで虫歯を治療します。
・エルビムヤグレーザー:レーザーでごく小さな爆発を起こし、歯質を蒸散させる方法です。

その他、薬液を塗り柔らかくして掻きだす方法や、音波振動を利用する方法などもあります。

●痛みがある場合の虫歯の治療法
歯に痛みがある場合は、歯髄が炎症を起こしていますので、虫歯の進行具合により、次のような治療が行われます。

・感染を防止した上で歯髄を生かす方法
・細菌に感染した部分を削ることにより、細菌を取り除く方法
・全てを取り除く方法

最近では、虫歯の部分のみを取り除き、樹脂の一種である「コンポジットレジン」を充填するという方法も行われています。
また、神経まで届いていない中等度の虫歯の場合、プラズマレーザーを利用して痛みを感じることなく患部を削り、そこに詰め物をするという治療法もあります。

●強い痛みがある場合の治療法
神経を抜く(歯髄の除去)治療法が行われます。
炎症をおこしている歯髄を取り除き、骨の中まで病変が及ぶことを避けるために行われます。
しかし、歯髄がなくなると、虫歯が再発しても痛まないので悪化するまで気付かないという事もあるので、注意が必要です。

神経まで達している虫歯でも、歯を削ったり抜いたりすることなく治療できる「ドックベストセメント治療」というものもあります。
虫歯の部分をできるだけ削らずにドックベストセメントを塗布し、鉄と銅イオンの持つ殺菌力で虫歯菌を無菌化するという方法です。

●激しい痛みがある場合の治療法
虫歯がひどくなると、歯髄が腐敗して骨の中に膿がたまるようになるので、激しい痛みが生じてきます。
この場合、以前は抜歯が行われましたが、現在では根の治療で感染源を絶ち、歯を残すという方法も行われるようになって来ました。
感染した歯髄や膿を取り除き、その部分に詰め物をします。

●シーラント法
シーラント法とは、生えて間もない歯の溝を樹脂で塞ぐ虫歯予防法です。特に奥歯の永久歯の虫歯予防に効果的です。

※このほかにも新しい虫歯の治療法が次々と開発されていますが、治療内容や治療期間については歯科医と良く相談の上、決めるようにしてください。
また、保険適用になる場合と、保険適用外の場合とがあるので、治療費についても前もって確認しておきましょう。

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■ひとくちメモ
歯の痛みはつらいものですが、虫歯は普段から気をつけることにより、防ぐ事ができます。
特に食後の歯みがきは重要です。歯みがきができない状況にある時は「うがい」だけでもするようにしましょう。
また、子供や、高齢者の歯については、虫歯ができないように親や第三者が気を付けてあげることも大切です。

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